Metroスタイルアプリ Developer Camp 受講メモ(6/28、大阪)

6/28の Microsoft 関西支社 で行われた『Visual Studio で実現する次世代 Windows アプリ開発セミナー~ Powered by Go Metro "Developer Camp"~』に参加した時のメモおよび感想です。

※従来のWindowsアプリは『Desktopスタイルアプリ』と呼称。


◆Metroスタイルアプリの概要

◇Metroスタイルアプリの特徴 - Desktopスタイルアプリとの相違点

☆Windows8でのみ動作
  • Windows8自体がMetroスタイルUIが基本となる
  • Office等の従来のDesktopスタイルアプリとの共存も可能
  • Desktopスタイルアプリは専用のDesktopアプリ(Sandbox)内で動作する

例)Officeを起動するとOS付属のDesktopアプリが起動し、その中でアプリが動作する。

☆全画面表示が基本
  • タブレットPCで動かすことを前提としたUI
    • 基本はタッチパネル操作だが、非タッチパネル環境でのマウスによる操作も可能
☆配布はWindows Store経由
  • iPhoneAndroidと同じ囲い込み型
  • アプリのガイドラインに基づいた審査がある
  • 業務アプリを個別に配布するにはSideloadingというテクニックを利用(要Active Directory)
    • 同じPCを複数のユーザーで使用する場合、ユーザー毎にインストールが必要(バイナリは1つ)=>インストールと言うよりはアプリを使用するための登録処理に近い
☆アプリケーションのライフサイクルはAndroidと同じイメージ
  • アプリケーションを終了するという概念はない。OSが必要に応じてプロセス/メモリ管理を行う。
  • プロセス/メモリ管理のアーキテクチャはWin32 APIとかなり違う。ユーザーの自由度は低い。
  • ファイルシステムも同様にユーザーの自由度は低い。ユーザーデータは許可されたディレクトリにのみ作成可能

◇Metroスタイルアプリの開発環境

◆Metroスタイルアプリの設計における注意点

必ずしも従う必要はないが、ガイドラインに沿わないアプリはWindows Storeの審査に通らず一般に配布しにくくなるため注意する。タブレットPCで使用するのが前提となるので、情報の閲覧性、UIの操作性を考慮すると、ガイドラインを把握しておくのは非常に重要となる。
Metro スタイル アプリの設計ガイド

  • 一画面に情報を詰め込み過ぎない。
    • 交通標識がデザインのモデルとなっている。
  • ユーザーが操作に惑わされずコンテンツに集中できる環境を提供するのが最も重要とされる。
  • 常に画面に表示するのはコンテンツに関係のあるものだけ。
    • 設定のようなものはポップアップメニューに一時的に表示する。
  • コントロールのグループ化は余白で行う。Desktopアプリのように線と箱を用いない。
  • 日本語フォントがMSゴシックからMeiryoに変わった。
  • ウィンドウの可視範囲内にすべての情報を収める必要はない(タッチパネルのフリック操作により横/縦スクロールが容易なため)。
  • タブレットPCの様々な姿勢での使用を考慮したデザインが必要(必要に応じて)。
    • 縦/.横画面ローテート、両手持ちの際の操作を考慮したコントロール配置 etc


◆感想

  • コマンドラインアプリが未だに通用しているのと同様にDesktopスタイルアプリも残っていくとは思いますが、今後クライアントのPC環境がタブレット型主体になっていくことを考えると無視はできないと思います。
  • Windows 8も含めあまりにもアーキテクチャが変わるので、Windows 8 PCを導入するなど案件がなくても少しずつ対応してMetro環境に慣れ、他の優れたアプリのUIを研究を進めていくことを提案します。
  • 個人的にはAndroid OSに比べたらアプリケーションの設計ポリシーが明確で信頼出来ると感じました。
  • ここでの説明は省略しましたが、アプリケーション配布方法や収益モデルも後発サービスの特権でAndroidiPhoneの欠点を補いよく練られていると感じました。
  • MicrosoftのタブレットPC向けOSに対する力の入れようが強く感じられる密度の高いセミナーでした。


以上