カスピ海ヨーグルト

先週にかけて母が来阪していた折に、簡易ヨーグルトウォーマーなるものを持ってきて来る日も来る日もヨーグルトを作っていたので、自分でも作ってみました。

wikipedia:カスピ海ヨーグルト
京都大学の家森幸男が、研究のためにヨーロッパ東部から持ち帰った種を、自宅で増やし食べていたが、それを「粘り気のある面白いヨーグルト」として近所の人に分け与えたことから、人づてに広まった[1]と言われている。

通常の乳酸菌とは異なって20℃から30℃という低い温度で増えるため、特殊な器具などを使わずに、牛乳から手軽に作りやすいことと(一般的なヨーグルトに比べて)酸味がおだやかなことが人気となった理由[1]、ともされる。

作り方としては、牛乳にカスピ海ヨーグルトの一部を溶かし、そのまま放置する。菌がすみやかに牛乳を酸性にするため、他の雑菌が繁殖しにくくなり、牛乳が腐りにくくなる。

これはよいと思ったポイント

  • ブルガリアヨーグルトの菌が40度くらいに保温しないと繁殖しないのに比べ、カスピ海の方は20〜30度と、冬季以外はほぼ室温で繁殖するため非常に扱いやすい。
    • ヨーグルトメーカーとか買う必要なし。
  • ブルガリアに比べて酸味が抑え目で子供の喰いつきが非常によい。マイルド。
  • 独特の粘性で舌触りが滑らか。もそもそしない。
  • 種菌を独自に用意しなくても、市販のカスピ海ヨーグルト(200円くらい)と牛乳があれば無限に作れる。
    • 職場の横のスーパーで売ってたフジッコカスピ海ヨーグルトの容器に「種菌としては弱いのでヨーグルト作りに使えるかどうか保証しないよ」旨の注意文が載っていたが『種菌として使っている人がたくさんいてクレームがくるのがめんどくさいから掲載』と深読みして使用しております。菌が弱ってうまく作れなくなったらまた買いなおせばいいし。なお、フジッコでは種菌も独自に販売しているようです。
  • ヨーグルト作りに飽きたら、タッパに小分けにして冷凍保存しておけば後で種菌として使える。

私が作っている方法

  1. 必ず脂肪分3%以上の『牛乳』(調整乳とか乳飲料とか書かれているものは不可)を用意する。
    • 私の母は「低脂肪乳で作ったらダイエットにいいんじゃ?」という発想で、明治ラブ(乳飲料、乳脂肪分1.3%)を使用。うんともすんとも発酵しておりませんでした。乳酸発酵というものを全く理解していない。
  2. 牛乳(200〜250ml)をガラスのコップに入れて沸騰直前に暖める
    • めんどくさいときは、冷蔵庫から出した冷え冷えの牛乳にヨーグルト混ぜて、レンジで弱で人肌まで暖めて放置していますが、沸騰直前まで暖めるのは余計な雑菌の繁殖を抑える意味合いもあるのでこの過程を経ることを推奨します。
  3. 人肌まで冷ます
    • コップを握って熱くなければ可。あんまり熱すぎると菌が死んじゃうかも。
  4. ヨーグルトを大匙2〜3杯ほど加えて混ぜる
  5. ラップでフタをして一晩放置
    • レンジの中が温度変化が小さくて按配がよい
    • 気温が低ければぬるま湯で湯煎して放置する
  6. 出来上がったものは冷蔵庫保存
    • あんまり放置しすぎると、もろもろになって酸っぱくなります。

夜寝る前に仕込んで朝起きたらあら不思議、液状だった牛乳がプルプルに。いやー、楽しい。
私が使っているレンジに発酵機能というものがあるのを思い出してマニュアルを見返してみたら、カスピ海ヨーグルトモード(発酵温度弱)というのがあるのを発見しました。
お母様、ありがとう。
b:id:kiyotune:t:ヨーグルト

がんばっている人(菌)たち

フジッコの種菌で作ると酸味をほとんど感じない。

クレモリス

http://www.glico-dairy.co.jp/institute/report4/imgs/photo_1.jpg:image:small

  • 乳酸菌。多糖質(ねばねば)を作る。
  • 通性嫌気性。アセトバクターが蓋をしてくれないと活動できない。
  • 乳酸を作るが乳酸が嫌いというひねくれもの
    • 発酵しすぎるとこいつが死んでしまって種菌としては不適当になるので、定期的に種菌を作り直す(新鮮なヨーグルトを足す)必要あり。
アセトバクター
  • 酢酸菌。クレモリスのために蓋になっている。
リューコノストック
  • 乳酸菌。酸味の元。
  • 酒造の世界では『火落ち菌』と呼ばれ忌み嫌われている
グルコバクター
  • 酢酸菌。酸味の元。
  • 乳酸の酸味に酢酸の風味の隠し味を足している、らしい。