サッチャー元首相が認知症

写真特集 - 毎日jp(毎日新聞)
03年の夫デニスさん死去について「母の認知症はこのことを忘れるようにさせている」とキャロルさんは述べ、「父が生きていないことを何度も分からせなければならないのでつらい」と告白している。また「他人が入ることのできない別の世界」に元首相はいると指摘した。

切ないなあ。
母方の祖母がおととし亡くなったのですが、10年以上病院にいるにも関わらず、ボケとは無縁の人でした。ですが、亡くなる2年前に一番祖母の面倒を見ていた長男を病気で亡くし(祖父は若いころに死亡)、自身もガンを発症(年寄りなので進行は激遅)し排泄機能が徐々に悪くなり食欲が徐々に減退したりと、つらい現実が身の回りに降りかかるに従って認知症の症状が出てきて、母や家族のことがわからなくなってきました。
祖母は連れ合い(祖父)を私の母が4歳のころに亡くして以来、女手一つで母を含む5人の子供を健全な人間に育て上げました。私を含めた孫が次々と出来、これからようやく穏やかな人生を送ろうか、というときに不幸にも一人住まいの家で脳卒中で倒れ、更なる不幸にも十分なリハビリを受けられる施設が身の回りになく半身不随の生活に。私が物心つくぎりぎりのころ弟が生まれて産後の介助に我が家に来ていたときが五体満足に動けていた祖母の最後の姿でした(直後に倒れる)。
認知症って、人生の長くつらい現実から逃れる神様からの贈り物かもしれない、と祖母を見ていてちょっと思いました。必ずしも当人にとっては不幸ではないのかも。