ポニョる

(親の)夏休み最後のイベント&家にじっとしていたら怪獣ども(ムスメ×2)がうるさいので、『崖の上のポニョ』を観てきました。以下つれづれにネタバレあり。

ニーベルングの指輪

ポニョの本名は『ブリュンヒルデ』らしい。つーことはワーグナーの『指輪』となんか関連があるのかしらん、と思っていたら、案の定『ヴァルキューレの騎行』がBGMで出てきましたよ。ポニョが津波と共に大暴れしてそうすけを探しに行くところ。予備知識としてwikipedia:ワルキューレwikipedia:ニーベルングの指環を仕込んでいったらもっと楽しめたかもしれない。DVDが出たら観てみよう。wikipedia:崖の上のポニョではアンデルセンの『人魚姫』をモチーフにしている、とありましたが、私的にはワーグナーの『指輪』の方の印象が強かったです。ブリュンヒルデの眠りが後半のテーマになっているところとか。でも、ハッピーエンドなのはジブリ仕様。

ネジ式

ネジ式、との批評に興味を持ったのが劇場に足を運ぶ動機となったわけですが、確かにネジ式。観なければわからない。ていうか、観てもそのまんまじゃわからないと思う。ポニョが何者なのか、が映画の中ではほとんど語られていないのでコドモに説明が難しい。どう考えても大人向けでした。幼児の親を釣る映画。金魚&半魚人ポニョが気持ち悪い、という声も聞こえますが、慣れるとなんともいえない味わいが出てくるキャラクターだと思います。
ムスメ1号が毎日ポニョポニョ歌っています。

境界を越える(追記:2008/09/01)

さらっと読んだだけだけど、ハム速で興味深いまとめスレがあったので抜粋。

・トンネル: 別世界への通路。人じゃないモノ(死者や精霊)に会えたりする。
・言霊: 名前。約束。問いかけと返答。
・食べ物: 命を分ける。食べた人の存在が変わる(千と千尋の両親とか)。

そんなんで境界を越えるのは結構簡単。
でも向こう側で長くとどまると危険。
世界のバランスが崩れて、ほころびが生じる。らしい。

自分が死ぬだけじゃ済まなくなる。
アルマゲドン並みの悪いことが起こってしまう。
何でか知らないけど神話ではそういう決まりらしい。

じゃあどうすればいいかというと、いくつか方法があって、
 ・すぐに戻ってくる(トトロ)
 ・向こう側の特性(食べ物・名前)を得て、別の存在に変質する(千と千尋)
 ・世界のほころびを閉じられるほどの大きな挑戦をし、成功させる。

なーるーほーどーねー。今まで読んだ中で一番しっくりくる解説。だから『ブリュンヒルデ』(戦いに敗れた戦士の死体を黄泉の国につれて帰る女神)が出てくるわけだ。全体を覆っている不気味な空気(ネジ式といわれる所以)の原因がわかるような気がした。